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2007年5月の6件の記事

2007年5月20日 (日)

売糖歌の歌詞

「売糖歌」(マイタングァ)の歌詞を載せます。この歌詞は検索しても全然出てきませんでした(5月21日コメントいただいたとおり李香蘭的歌迷さんが某掲示板に書き込みされてました)。外国語のサイトでも出なかったので不思議に思って中国人の友人にメールしたらなぜだかわかりました。つまり、中国語の現在の漢字だとこちらのビデオ卓依婷の売糖歌http://www.youtube.com/watch?v=0BbssEUOCHAのタイトルに出てくるような簡体字で「卖糖歌」と表記するのですね。それをコピペして検索したら簡単に出てきました。

このレコードのB面には「戒煙歌」というのがあって、そっちの歌詞は阿片吸引を戒める歌だと聞いていたのですが、「売糖歌」もそんな歌詞でした。阿片中毒になってしまった恋人を救いたい一心で、阿片のかわりに飴を舐めて、という歌詞です。訳を読むと歌詞は結構どぎついですね。イギリスやフランスに阿片づけにされた中国の暗い過去の一面です。日本軍に襲われる100年くらい前の話ですが、このころからその後の文化大革命のあたりまででしょうか、中国にとっては本当につらい時代だったと思います。

フリガナは中国語の発音をアルファベットで表記した「ピンイン」というのを参考にし、さきほどのyoutubeリンク先の台湾人歌手、卓依婷さんのを聴いて確認しカタカナで振ってみました。ここでも上戸彩さん、中国語がんばってます。それと、「儿」という字は日本語の「児」ですが、今回は中国語表記のままにしました。発音は日本人の苦手な巻き舌です。「r」の発音がはっきり入るところとあまり入らないところがあります。これは卓依婷さんの発音を聴いてもそうでした。日本語に無い発音はカタカナでは限界がありますが、実際に歌を聴いて適度に調整してください。

上戸彩の売糖歌はここをクリック  (残念ながら平成20年1月25日に著作権侵害ということでyoutubeによって削除されました)

(写真は「萬世流芳」の李香蘭本人) 1

(売糖歌(卖糖歌・賣糖歌) 作詞:李隻青   作曲:梁楽音)

煙盤儿富麗  煙味儿香

ィエンパンャフーリ  ィエンウェァrシャン

煙斗儿  精致   煙泡儿黄

ィエンドー チンヂュ ィエンパオァrホァン

断送了     多少   好時光

ドァンソンリャン  ドゥオシャォ ハオシークァン

改変了    多少     人模様

ガイビェンリャン  ドゥオシャォ  レンモーヤン

牙如漆  嘴成方

ヤールーチ ツエイチェンファン 

背如弓  肩向上

ベイルゴーン ジェンシァンシャン

眼涙鼻涕  随時淌   阿阿阿阿阿阿阿

ィエンレイビティ シュェィシタン  アアアアアアアア

(ここまでがドラマで歌われました。以降記載しました)

尓快快  吹滅了   迷魂的燈

ニクァィクァィ チュィミェリャン  ミーフンディダン

尓快快  放下了    自殺的槍

ニクァィクァィ ファンシァリャン  ジーシャディチヤン

換一換   口味来  買塊糖

フアンイフアン  コゥエィライ マイクァィタン

誰舐      誰苦       自己 去嘗

シェィティェン シェィク        ジィジ チチャン

売糖呀 売糖

マイタンヤ マイタン

売糖呀 売糖

マイタンヤ マイタン

Photo_15

劇中劇で売糖歌を歌う上戸彩

(日本語訳)

阿片のお盆は立派で綺麗 阿片の煙はいい香り

阿片のパイプは精巧で 阿片の煙はこがね色

どれくらいの素晴らしい時間を奪ったことか

どれくらいの人の姿を変えてしまったことか

歯は漆を塗ったように黒くなり 口は四角くなり

背中は弓のように曲がり 肩はすくみ

涙と鼻水は絶えることなく流れつづける ああ・・・・・・

あなた、魂を迷わす火を早く吹き消して

あなた、自分を殺すパイプを早く下に置いて

好みを換えて 私の飴を買ってください

甘いか苦いか自分で試してみてください

飴はいかが?

飴を買ってください

飴はいかが?

飴を買ってください

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2007年5月12日 (土)

蘇州夜曲の歌詞

上戸彩が上海ステージで歌う夜来香の前に、中国語で歌っている「蘇州夜曲」です。上戸さんは1番の3行目以降を歌っています。この初めて聴く歌も本当に素晴らしかった。ドラマを見終わった後、私の頭の中で何度もこの曲のサビが再生されていました。

この曲は服部良一が、映画「支那の夜」に主演する李香蘭のために作った歌です。レコードは所属レーベルの関係で渡辺はま子さんが吹き込んで販売されています。また、中国語の歌詞は1999年に李広宏という蘇州出身の中国人歌手によって作られました。他にも中国語バージョンがありますが、ドラマ李香蘭で使われたのはこの李広宏(リコウコウ)氏の訳詩です。サントリー烏龍茶のCMソングでも彼の歌詞が使われました。

夜來香と蘇州夜曲のノンストップミックスはこちら←クリック

上戸彩の蘇州夜曲と夜来香のyoutube映像はこちら ←クリック

Photo_9

一口メモ:世界遺産である蘇州の九つの庭園にはくりぬき門が多い。丸く切り取られた風景が絵画的構図をかもし出す。

(蘇州夜曲 日本語歌詞作詞:西条八十 中国語訳詩:李広宏 作曲:服部良一)

依偎在   尓的懐里
ュイーウェィツァィ ニーディホァィリー

听着那  鳥語  般地歌
ティンチャナ  ニャォユ パンディグァ

(ここからが上戸彩が歌っている部分です)

軽似風   柔似水
チンスーフォン ロウスーシュェィ

愛的  船歌
アィディ チュアングァ

花落水   春已去
ホアルォシュェィ チュェンニチュ

迷人的 水郷    蘇州阿
ミレンディ シュィシャン  スジョウア

陽柳也在   為尓  哭泣
ヤンリョイェィツァィ  ウェィニ クーチー

為尓  嘆息
ウェィニ  ターンシィ

(ほぼ直訳)

あなたの胸に 抱かれて聴くのは

鳥のさえずりと

風のように軽く  水のように柔らかい

愛の舟歌

花が水に落ち 春は過ぎ行く

人を魅惑する 水の都 蘇州

別れを惜しむように柳が

すすり泣き ため息をつく

以下に日本語のオリジナルの歌詞を掲載します。こちらが先にできて1999年に李広宏氏が中国語歌詞を付けたのは先に述べた通り。なお、1950年代に日本コロンビアが山口淑子さんのレコーディングで付けた歌詞では、1番の「鳥の歌・・・」という部分を「恋の歌・・・」と変更しています。作曲家の服部良一氏は、これでは元々の情感が失われる、と不満だったとか。

(中国人の方で日本語で歌いたいという方もいるので2010年4月ローマ字を追記しました)

1.

君がみ胸に 抱かれて聴くは

KIMIGA MIMUNENI DAKARETE KIKUWA

夢の舟歌 鳥の歌

YUMENO HUNAUTA TORINOUTA

水の蘇州の 花散る春を

MIZUNO SOSHUNO HANACHIRU HARUWO

惜しむか柳が すすり泣く

OSHIMUKA YANAGIGA SUSURINAKU

2.

花を浮かべて 流れる水の

HANAO UKABETE NAGARERU MIZUNO

明日のゆくえは 知らねども

ASUNO YUKUEWA SHIRANEDOMO

今宵うつした 二人の姿

KOYOI UTSUSHITA HUTARINO SUGATA

消えてく呉れるな いつまでも

KIETE KURERUNA ITSUMADEMO

3.

髪に飾ろうか 口づけしようか

KAMINI KAZAROKA KUCHIZUKE SHIYOKA

君が手折(たおり)し 桃の花

KIMIGA TAORISHI MOMONOHANA

涙ぐむような おぼろの月に

NAMIDA GUMUYONA OBORONO TSUKINI

鐘が鳴ります 寒山寺

KANEGA NARIMASU KANZANJI

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夜来香「清涼」の部分の吹き替え詳細

夜来香の歌詞が知りたい方は左の「バックナンバー」の5月をクリックして5月5日の記事を参照してください。

DVD版の夜来香は残念ながら、なんらかのおそらく抜き差しならぬ理由によって一部吹き替えになっていました。テレビ放送された方は、上海ステージの夜来香がまるっきり一曲エンレイさんの声に入れ替えられており、テレビ東京の発表では編集ミスということでした。

DVD版で吹き替えられた部分は、5月5日記事の歌詞の☆印のついた音の部分です。私の記事をみた方からコメントを頂いたおかげで判明しました。

この吹き替えがあるからといって作品の内容、質が落ちるわけではないかもしれません。ただ全体的な上戸彩さんの歌声が気に入った私のような視聴者には納得しきれない気持ちがあり、また誰よりも、上戸彩さん本人にとってはショッキングなことだったと思います。

さて今回はなぜ吹き替えと確証できたか、一部を波形を見ながらすこし解説します。実はわたしは上戸彩さんの歌を聴くのは「李香蘭」がはじめただったので、彼女の声質がわたしの体に入っていなかったために、最初は吹き替えとは気づかなかったのです。正直言って、上海ステージの夜来香全てがすっかり上戸彩さんの声だと思っていたため、だまされた感がとても強かったのです。もともとの上戸彩さんのファンにはすぐにわかることだったでしょうけれど、そうでない視聴者にはずっとわからなかったかもしれません。ネット上でも吹き替えだ、いや本人だと議論になりました。今回こうして波形で表すことで明確に分かりました。

今回取り上げたのは「夜来香」の歌詞の一行目、涼(リャーーーン)と発音する部分。この全体が吹き替えと思われていましたが、実際にはリャは上戸さん、アーーーと伸ばす部分だけがエンレイさん、ンの最後で上戸さんに戻ります。

下のグラフはリャの音のスペクトルです。 グラフをクリックすると大きくなります(ブラウザーでさらに拡大できます。戻るボタンで戻ってください)。左が上戸さん100%、右がエンレイさんの吹き替えありの方です。グラフの上部の波形はチンリャーーンと歌っている2.7秒間の時間軸です。赤い縦線の瞬間の周波数が下のグラフになります。グラフ下部の青い線の山で一番左の山に注目してください。そこが基音という、その人固有のキーとなる周波数です。最初のグラフではどちらも基音が同じです。ここまでは両方上戸さんだとわかります。 基音の周波数は0.3から0.4KHzのところにあります。3066

アーーンと伸ばすところになるとエンレイさんが登場します。下のグラフを見ると上戸さんは基音0.4KHzで変わりませんけど、エンレイさんの基音は0.6KHzに出て、その3倍音の1.8KHzの周波数も強いです。エンレイさんのほうがキーが高いことがわかります。 また他にもいろいろな時間で見ていくと上戸彩さんのほうが特に低音部で倍音が多く、若干不規則に出る傾向にあって、透明感がありながらも特に低音部で深みのある癒し系の声になります。エンレイさんのほうは倍音は少なめで規則的でした。ですのでさらに透明感のある透き通った声、だけどすこし人工的な声になるようです。エンレイさんはビブラートや強弱などの歌唱法で人工的に聴こえるのをカバーして透明感を活かしているのかと思います。5126

最後のンのところはまた上戸さんに戻ります。右側のグラフの基音も0.4くらいのところに戻ってますね。 8246

上戸さんの歌にエンレイさんの声が入ると、声は似ているのに違和感があるのは、こうやってその人固有の周波数分布があるからなんですね。

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2007年5月 5日 (土)

夜来香の歌詞

夜来香の歌詞です。振り仮名をつけてアップしました。なおDVD版で吹き替えられた部分に☆印を付けました。本当になぜこんな一部だけの吹き替えがなされたのか。私のような中国語素人には問題ないように感じますが、中国語に達者な人が聴くと違和感があるのでしょうか。上戸彩さんがかわいそうでなりません。

三行目の「花児」のところの「児」、この発音が巻き舌で難しいですね。英語のerみたいですけど上戸彩さんも無難にこなしています。

それから、訳詩を修正しました。この詩はもともと黎錦光(レイキンコウ)という男性の書いた詩ですが、どうも上戸彩さんの歌をたくさん聴いているうちに女性の作詞かと勘違いしてそんな感じの訳を付けていましたが、その後調べてみたら、夜来香は妖艶な女性の隠喩(インユ)で、その女性を思う男性の詩であるとのことでした。そんな感じで修正しました。上海ステージで上戸彩さんの日本語のセリフがどこか男性的な言葉の感じがしたのはその辺もあるのでしょう。

それから夜鶯(イェイン)は文字通りだと夜のうぐいすとなりますが、中国の文学的表現では夜鶯はセキセインコなどの小鳥を指すようです。確かにうぐいすは夜は鳴かず早朝鳴きますので、ここでは単に「鳥たち」という意味に取りました。

上戸彩の蘇州夜曲と夜来香はここをクリック(吹き替え無し)

200710202

写真は「チューベローズ=月下香」といって、歌「夜来香」のモデルになった花。

春植えの球根で真夏に葉を伸ばして大きくなり、9月に開花し10月頃まで白い花を咲かせます。夕方の6時ごろから夜12時ぐらいにかけて甘くさわやかな香りを放ちます。

夜来香(イエイライシャン)作詞作曲 黎錦光(レイキンコウ)

編曲 服部良一

那南風   吹来  清凉          
ナーナンフォン チュイライ チンリャン
              ☆ 
那夜鴬  啼声   凄愴 
ナーイェイン ティーシャン チーチャン

月下的  花児    都入夢  
ユェシャディ ホアer       ドルモン
☆☆☆

只有那 夜来香   
ジヨウナ イェライシャン

吐露着  芬芳 
トゥルーチャ フェンファン

我愛這  夜色 茫茫      
ウォーアイチャ イェス マンマン
☆☆☆  ☆☆  ☆ 

也愛這  夜鴬 歌唱
イェアイチャ イェイン グァーチャ

更愛那 花一般的夢      
グンアイナ ホアイパティモン

擁抱着  夜来香        
ヨンパオチャ イェライシャン

吻着  夜来香
ウェンチャ イェライシャン

夜来香  我為尓   歌唱
イエライシャン ウォーウェニイ グァーチャ

夜来香  我為尓   思量 
イェライシャン ウオーウェニイ スーリャ 

阿阿阿  我為尓  歌唱     
アーアーアー ウオーウェニイ グァーチャ
☆☆☆

我為イ尓  思量
ウオーウェニイ スーリャ

(日本語訳)

南風がさわやかに吹き
鳥たちがやさしげにさえずっている
月明かりの下、花々は眠りに付き夢を見ているようだが
夜来香だけは
かぐわしい香りを放っている

わたしはこんな茫漠とした夜の雰囲気を愛し
鳥たちのさえずる声も愛す
そしてもっと愛するものは  あの花たちが見ているのと同じような夢
夜来香を抱きしめて
夜来香に口付ける

夜来香
あなたのために歌い
夜来香
あなたのことを思う

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漁光曲の100%上戸彩バージョン

「漁光曲」は1934年公開の中国映画です。ドラマ李香蘭の中では、上戸彩演じる李香蘭が奉天ラジオ局のスタジオで録音しラジオで流れるシーンになっていました。しかしテレビ放送およびDVDでは、残念ながらごく一部(二音のみ)、中国人歌手のエンレイさんの声に吹き替えられていました。そこで、上戸彩さんが全部歌った番組宣伝用バージョンをテレビ録画したものからサンプリングし、上戸彩100%に戻した漁光曲を作りました。右クリックで保存してから聴いてください(プレーヤーソフトをインストールしているパソコンであれば左クリックで聞くことができます)。なお、ドラマの台詞がかぶりますが、これはどうしても消すことができませんのであしからず。

「上戸彩の「漁光曲」(ドラマ李香蘭より).mp3」

この歌あまり注目してなかったのですが、いい歌でした。「李香蘭 私の半生」によると李香蘭の一番好きな曲のようです。歌詞は下に載せた感じのようです。フリガナは聴いた感じで、訳は漢字のイメージで書きました(フリガナは5月11日、中国人の方に教えてもらい一部修正しました)。また、Timi Zhuoという台湾人歌手の漁光曲を見つけましたのでリンクしておきます。Timi Zhuoの「漁光曲」(Youtubeにリンクしています)

なお、テレビ放送とDVDでエンレイさんの声に吹き替えられていたのは、3音目、4音目だけです(☆の部分。下の歌詞1行目)。

Photo_7

写真は馬驍(マキョウ)氏の漁光曲というタイトルの発墨画

(漁光曲  作詞:安娥  作曲:任光)

雲児  飄在 海空    魚児蔵在     水中
イーェr ピュァツァイハイクォン  ィユーェrツァンツァイ  シュェイチョウ
     ☆☆

早晨    太陽裡    晒魚網  迎面 吹過来   大海風
ツァンチュェン タイヤンリー   サイユーワー イーミェン チュイクァライ ターハイフォン

潮水   昇    浪花湧   漁船児  漂々   各西東
チャゥシュィ シャン   ラーホアヨウ  ィユーチュェr ピャォピャォ   カーシィトン

軽撒網 緊拉縄  煙霧裡辛苦 等魚跡
ジサワー  ジラシャン ィエンウリシンクー ライィユツォン

(かなり直訳)

白雲が海の上を流れ、 魚が水中をいっぱいに泳ぎ回っている

朝の太陽に魚網がキラキラと光り、 さわやかに海風が吹いてくる

潮が昇り、 波が湧き立つ  釣り船が西に東に行きかっている

網を投げ、縄をいっぱいに張る  霧の中、一生懸命に魚を探す

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2007年5月 4日 (金)

100%上戸彩「夜来香」

ほとんどテレビドラマを見ないわたしが、ひょんなことから見はじめた上戸彩主演ドラマの「李香蘭」。まったく事前知識無しで見始めた私は、いつのまにか引き込まれ、李香蘭の背景にある歴史に強い興味を持ちました。

そして上戸彩さんの歌う当時の数々の歌も素晴らしかった。彼女の歌う初めて聞く中国語の歌も、私がこのドラマに引き込まれた大きな理由のひとつでした。

ところが・・・・

テレビで聴いた上戸彩さんの、上海ステージでの夜来香は、中国人歌手の方の声だった。公式発表ではなんらかの編集上のミスがあった、とされています。上戸彩さんの歌声と一生懸命な演技が印象に残るこのドラマを最後まで見続けたわたしは、このことを後で知ってがっかり。上戸彩さん本人も、このことは何も知らされておらず、放送前のインタビューで、「全部私が歌いました」と語っていたばかりに、「結果的に嘘をついてしまってごめんなさい」とブログに書いています。

上戸彩さんの3月3日のブログを引用します。

「私もびっくり・・・ごめんなさん(涙)」

みなさんこんにちは☆私はインフルエンザも完治したよ! でね、みなさんに報告があります。この間放送された李香蘭 なんだけど、歌も全部私がレコーディングして歌いました!と会見でお伝えしたんですが 、後半の上海 シアターでの夜来香は どうも編集の段階でPAの方が間違っちゃたみたい。。 実は私、照れがあるのか完パケがみれなくて自分で確認したわけではないのでこんなことしか言えなくてすみません。そんな報告を昨日受けたのでみんなにも伝 えておかないとと…。私もびっくり…嘘ついた形になっちゃってごめんなさい。(涙)

引用終わり

彼女は悪くないのに、けなげにも謝っています。本来ならプロデューサーかディレクターがまっさきに謝るべきでしょう。これは少し可哀相すぎます。

さらには、修正すると公式発表されていたDVD版の方も、上海ステージが上戸彩さんの歌に戻っていたけど、なんらかの抜き差しならぬ理由でごく一部が吹き替えになっていて二度がっかり。。がんばった上戸彩さんのためにも、またわたしと同じような思いを抱いた視聴者の方のためにも、純粋に上戸彩さんの声に戻した「夜来香」を作ってみました。作ったといっても、音源は購入したDVDと、テレビ録画した番組の中から上戸彩さんの声をサンプリングして、それをつないでいっただけです。

2010年3月21日追記:もう時効かと思いますので書きます。このなんらかの抜き差しならぬ理由は、おそらくこのようなことかと。

・・・当初、中国人歌手のen-Rayさんが、中国語の歌全曲を吹き替え予定だったのは公式発表されている通り。上戸彩さんは、撮影の現地では口ぱくを合わせるために一生懸命中国語曲のCDを聞いて口を合わせたらしい。ところが、撮影終了後日本に帰ってきてしばらくのこと。上戸彩さん本人が言うには「わがままを聞いてもらい、en-Rayさんの吹き替えでなく自分の歌で」いかせてくれと製作者側に申し入れ、それを受け入れてもらった、ということです。これもテレビ放送前に公式発表されていました。


ここからは私の推測です。en-Ray側とは契約で、ドラマの中で必ずen-Rayの声を使うことになっていたのではないか。上戸彩側とen-Ray側、両者の折り合いを付けるために、山口淑子氏の意見や監督の意見も取り入れながら、ごく一部の中国語の歌でen-Rayの声が使われることになった。それが、DVDバージョンにあるとおり、夜来香と漁光曲のごくごく一部の吹き替えとなった。


これが番組でも放送されていれば製作者、en-Ray、上戸彩側も納得済みのことだった。ところが、音声技術スタッフの編集ミスにより上海ステージでの夜来香が最初から最後まで全部en-Rayの声で流れてしまった。ファンが騒ぎ出し、プロデューサーは公式見解として、DVDでは上戸彩完全歌唱版で販売すると宣言された。ところが、それは、上で述べた三者納得済みの、en-Ray一部吹き替えバージョンのことであった。この、ごく一部吹き替え処置は、実はプロデューサーも知らなかったのだと思う。そしてプロデューサーの「完全上戸彩歌唱版」という言葉を信じたDVD購入者、まさに私のような購入者は、約束が違うと感じざるをえなかった。その後の製作者側との地道な折衝(当ブログの当初の読者であったmako氏による)によって、2008年12月30日31日のテレビ東京系での再放送では、本当に100%上戸彩の声に再編集したバージョンが放送された・・・・これが吹き替え問題の真相だと思います。

今となっては誰を責める気にもなりません。むしろ音声技術スタッフのミスがなかったら、en-Ray一部吹き替えバージョンが永遠にまかり通っていたかもしれません。「これくらいはちょっとした演出にすぎない」という理由をつけて。災い転じて福と成したのかもしれません。

しかし、吹き替えがあった事実は心ないテレビ評論家、たとえば有田芳夫のような人からひどく突っ込まれました。 かれは自分のブログでこう書きました。

以下引用

「先日テレビ東京で放送された「李香蘭物語」をわたしは評価していない。そのことと主人公を演じた上戸彩さんの努力を認めることとはまったく別次元のことだ。それでも作品は結果で評価される。何か絶対の「物差し」があるわけではない。それでも上戸さんが実際には歌っていなかったこと(すべての曲かどうかは不明だが他人が歌っているものの吹き替え)、したがって口の動きと歌声とが合っていなかったことなどがドラマの専門家からも厳しい評価を受けていた。「やっぱり李香蘭を演じるには若すぎたよね」というのだ。

視聴者がどれほど関心を抱いたかの指標がある。視聴率だ。それがすべてではない。しかし予算もかけ2か月もの上海ロケを敢行した以上、少なくとも15パーセントの視聴率が欲しかったと関係者は語っていた。ところが初日の11日は9•1パーセント、2日目の12日は8•5パーセント。期待は見事に裏切られた。個人的な真情が作品と共鳴するかどうかが問題なのではない。テレサ・テン物語の主役を選ぶとき、わたしは提示されたある女優の起用に猛反対した。それはテレサを演じるにはどう見ても無理があると確信したからだ。そのような思いからすれば李香蘭を演じるのが上戸彩さんが相応しかったかという問題は残る。何度もいうが、ご本人の努力というレベルではなく、適材適所かどうかという選択の課題なのだ。「作品の批評は作品についてなすべきで、作品の意図についてなすべきでない」(ロマン•ロラン)。」

引用終わり

まったく、ごく一部吹き替えにしただけで、こんな風にとんでもない言われ方をされてしまうのです。おそらく有田は酔っていたのでしょうけど。それが証拠に、タイトル名を

「李香蘭」でなく、

「李香蘭物語」、

と間違えています。ロマンロランの引用までしてかっこよく締めたつもりが、これでよくテレビ評論家がつとまるものです。やっかみも入っていた気がしますね。


それにしても、有田は自分の書いた小説を原作としたテレビドラマ「テレサテン物語」では、主人公の木村佳乃が全曲他人の吹き替えにした事実をどう評論するのでしょう。また、上戸彩は、中国語の台詞を自分で中国語で語りました。木村佳乃は中国語でしゃべるところを日本語で通しました。これらはどう評論するのでしょう。これ以上は、突っ込むのはやめておきます。


「李香蘭」の吹き替え騒動を顧みるに、契約上の問題、あるいは演出上の問題だとはいえ、一部吹き替えをしようとしたことは事実であり、やはり正々堂々とできないことはしないこと、これが教訓ではないでしょうか。

なお、本来再編集などありえないにもかかわらず、2008年12月の再放送で上戸彩の声にすべて再編集してくださったテレビ東京と、折衝に当たって下さった角川映画には感謝しております。ありがとうございました。


以上、追記終わり


こちらは私が作った上戸彩100%の夜来香です。番組録画やDVDから上戸彩の声をサンプリングして寸分違わずつなぎ合わせて100%上戸彩の声に戻したものです。

「YeLaixianUetoAya.mp3」をダウンロード

 


また、この声を使って、映像と合わせた動画をユーチューブで見ることができます。ご覧下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=SPXQiB7iCSk

夜来香の歌詞が知りたい方はここをクリックして5月5日の記事をご覧ください

Photo

一口メモ:夜来香の花

ドラマで使われた花は正確にはチューベローズ(=月下香)といい、リュウゼツ蘭科の植物です。私の育てた左の写真の花もそれです。本物の夜来香の花だと黄色です。ただ「夜来香」の日本語歌詞に「白い花」と出てくる以上、演出上は月下香の白い花を使って正解だと思います。実際にも「夜来香」や、「夜香木(やこうぼく)」、「月下香」は、夜に香りを出すことは共通していて、あまり区別なくすべて「夜来香」と言われることが多いようです。こちらの二つを参照してください。http://ele-middleman.at.webry.info/200506/article_253.html

http://blog.chugoku-np.co.jp/fureai10/?date=20060908

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