« 李香蘭にフランス人の血が? | トップページ | 史料の行間を読む »

2008年4月10日 (木)

要不要、小孩子(ヤオブヤオシャオハイツ) 子供は要りませんか?

要不要、中国語で「ヤオ ブヤオ」と発音するというのは8月7日の記事で書かせて頂きました。上戸彩「李香蘭」の上海ステージ上で、「夜来香はいりませんか?」というところで出てくるフレーズです。「要不要、夜来香」と。とても綺麗なシーンでした。

小野寺機関の吉田東祐が書いた本「二つの国に架ける橋」という本を読んでいて、この言葉が、まったく違うシーンで使われているのに遭遇しました。

「要不要、小孩子」(ヤオブヤオ、シャオハイツ) 

がそれです。

吉田東祐が実際聞いた言葉です。意味ですけど、小孩子は、子供っていう意味ですので、子供は要りませんか?という意味です。恐ろしい言葉ですね。

19378_2 いったいどんなシチュエーションでこんな言葉が出てくるのでしょう。1937年夏、日本は上海での権益を拡大したくてうずうずしていました。中国側も迎え撃つ気満々。国民党軍はドイツからの軍備や戦術指導によって、トーチカ構築や塹壕などの防衛陣地を築き上げ、また、空軍ではアメリカの教えを受け爆撃機が今か今かと虹口日本人地区と日本海軍の旗艦出雲に照準を合わしていました。日中双方が挑発の末、ついに8月7日に戦争が始まりました。吉田によれば、最初の24時間で上海の中国人の2万人が死んで50万人が家を失ったらしいのです。もちろん虹口地区の日本人も多数の死者が出ました。中国人で家を失った人たちは日本が攻めてこられないイギリス租界やフランス租界に逃げ込みました。

193789_2 逃げ込んだ租界で、ある母親が3歳くらいの男の子を前に座らせて、通行人にこの子を買ってくれと叫んでいる言葉が吉田の聞いた「要不要、小孩子」だったのです。租界に逃げ込めば大丈夫だと聞かされて来たものの、来てみれば知り合いもなく、食べ物を買うお金もない。やがてせっぱつまって子供を売ろうとしていたと。吉田がよく見てみると、かわいい男の子は何も分からず母親の前にちょこんと座っている。母親は涙を流しながらなおもヤオ ブヤオと言い続けている。そんなシチュエーションだったようです。

これはたまりませんね。

で、しばらく後に吉田が目撃したのは、今度は中国人の群衆に取り囲まれて殴り殺される日本の民間人、というもの。日本人、そして当時は日本人だった台湾人、朝鮮人などは、虹口(ホンキュウ)と呼ばれる日本人地区以外の場所ではいつ殺されるか分からない状態だったようです。その虹口でさえも日本兵は次々と狙撃されていたらしい。こんな話を聞くと少しはピンルーが学校で置かれていた状況も分かって来るし、李香蘭が日本人ということを必死に隠していたのも分かる気がする。

1937年、日本の侵略に反発する中国人という図は、時宜を得た言い方をするならば、漢民族支配に反発するチベット人、ユダヤ人の占領に反発するパレスチナ人、米軍の侵攻にゲリラ活動をするイラク人、という感じなのだろうか。


日本人は占領軍に蹂躙される、という経験が無い。占領米軍は周到な準備の末に戦略的にソフトランディングな占領政策を実施したから、ギブミーチョコレートの乗りでオッケーだった。反米日本人ゲリラ、なんて戦後発生しなかったのではないか。被占領者側の身になった自分という想像力が働かなければ、ひょっとして永遠に大陸のアジア人とは腹を割った友人にはなれないのかもしれない。

日本軍が中国でやったことを、強くなった中国が将来弱くなった日本で同じことをやると仮定してみれば、その恐ろしさも少しは感じられると思う。先日の報道によれば近いうちに中国のGDPが日本を抜くのは確実らしい。抜くどころか今のペースで行ったら日本の2倍3倍、アメリカも抜いて世界一の大国になるだろう。豊かで強くなった中国人。反日教育を受け続けている中国人。彼らはいったいどう行動するのだろうか。

100年後、「アジアは一つ」の掛け声のもと、中国の傀儡政権ができた日本では中国の言いなりになる首相を置き、国旗も変更させられる。東京湾から上陸してきた中国軍は、行政権と司法権を握っているだろう。少し前まで日本と同盟を結んでいたアメリカは経済的にも政治的にも日本を保護下に置くコストが見合わなくなっており同盟は解消されていたのだ。かつての米軍基地は中国軍駐留基地となっている。アメリカの資本家は強大な資本主義国中国の政商と結託するほうが遙かに儲けがでるのだ。人口が爆発する中国で食いあぶれた中国民間人は日本へ続々と入国し、傀儡政権の保護を得ながら商権を握っているだろう。中国系企業への就職が花形となりエリート日本人は皆中国語をペラペラ話す。反発する日本人は中国憲兵隊に言われ無き罪で牢獄へつながれる。10年後は見えても100年後は誰にも見えない。あり得ない話ではない。ご先祖様のバチが当たった。そんな風には将来の日本人に感じてほしくない。

|

« 李香蘭にフランス人の血が? | トップページ | 史料の行間を読む »

テンピンルー」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 李香蘭にフランス人の血が? | トップページ | 史料の行間を読む »