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2008年7月16日 (水)

日本テレビ「女たちの中国」

  今日の夜、遅い夕食を食べながらなにげなくテレビを見ていたら、一瞬、見覚えのある顔写真が画面に映った。鄭蘋如(テンピンルー)の顔写真。どうやら番組宣伝CMのようなのでネットで調べてみた。7月21日月曜夜9時10分から日本テレビ系で放送される「女たちの中国」第二弾である。李香蘭とテンピンルーが、この日スポットを浴びる4人の女性のうちの二人として取り上げられるようだ。

ついに、テンピンルーが日本の茶の間に紹介されるのか。ピンルーがらみのテレビ放送は中国や台湾で映画Lust, Cautionのときにいくつか放送されていたようで、Youtube上にもいくつかある。昨年の9月頃からピンルーに興味を持って調べてきた。 中国語サイトをかたっぱしからあさって、「郑苹如」という中国文字で検索してエキサイト翻訳にかけた。日本語の文献はたぶんほぼ全て読破したと思う。今年1月に「日中戦のはざまで 鄭蘋茹(テンピンルー)の悲劇」 ←クリック としてアップした。

ディレクターは果たしてどんなとらえ方をしているのだろうか。確か10月頃には大阪読売テレビ系で彼女のドキュメンタリーが放送されることは前の記事に書いたが、その前振りのような番組になるのかもしれない。彼女に対する評価は日本と中国で真っ二つに分かれてきた。色仕掛けの女スパイに情報漏れなどの痛い目にあってきた日本軍側からは、男から男を渡り歩くとんでもないあばずれ女と評する書物が多い。

中国人が彼女を書くときは抗日愛国の英雄である。

わたしの見立ては、そのどちらでもない。彼女はいたって個人的な動機で精一杯あの時代の上海を生きた。根底にあるのは日本人の血が半分流れる中国人、という立場である。ただでさえエリート検察官を父に持ち、フランス租界の高級住宅に住む彼女は、いじめのターゲットに成りやすかった。そんな折、日本軍が上海に侵入、南京では虐殺があったという報道もなされた。日本人の血が流れているということは避けがたい差別に結びつき、彼女はついに登校拒否に陥る。抗日のアンダーグラウンド、国民党スパイ組織に参加したピンルーはそこで活躍することで、かつて自分を差別した級友たちに向かって声なき声でこう叫んだ。「私は中国人なんです!」

終戦後の国民党による裁判で「私は日本人です」と叫んだ李香蘭。国は違えど、そのアイデンティティに共通の苦しみを持った二人。

あとは見てのお楽しみということで。

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